今、「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」を Audible で聴いている。
1960年代にプラハのソビエト学校で同級生だった3人を30年後に訪ねるお話。
現在は3人のうちの2番目、ルーマニア人のアーニャと会う場面を聴いているところだ。
共産主義を信奉して世界中からプラハに集まった人々の子弟が通学していたソビエト学校。その後、子供たちは散り散りになり、プラハの春やチャウシェスク政権の崩壊など、歴史の激動の中を生き抜いて、再会することになった。
作者の米原万里氏は父親とは違い、別に共産主義者というわけではなさそう。単なる普通の日本人だ。
でも、共産主義というのは作家にとっては実に興味深いテーマだと思う。「自由と欲望の追求」という資本主義の前に、「平等」という高潔な思想はいとも簡単に蹴散らされてしまう。そこに人間の弱さがあり、ドラマが生れる。
プロレタリア文学の代表のように言われる小林多喜二ですら、共産主義者の前に1人の作家だったのだと僕は思う。その時点で最も面白いテーマが共産主義だっただけで、もし彼が現代に生きていたら金融を語っていたんじゃなかろうか。
それはともかく、それぞれの登場人物が語るプラハの春、チャウシェスク政権の崩壊は、それぞれの物語として興味深い。
さて、3番目の同級生とはどのような再会になるのか?
結論:嘘つきアーニャの語るルーマニアの歴史、聴いてあげよう!
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