平直行といえば、シュートボクシングの選手というイメージが強いが、1989年に大阪府立体育館で行われた正道会館主催第8回全日本空手道選手権に出場している。空手着姿で登場した平選手は正道会館の柳沢聡行選手に敗れはしたものの、投げあり胴廻し回転蹴りありの好試合を行ってトーナメントの話題をさらってしまった。プロってのは何でもできるんだな、と感心した記憶がある。
さて、その平直行氏による格闘技論はやはり中の人によるものらしく、大変面白いものだった。アマゾンレビュー14件の平均が★4.8というのも頷ける。
極真空手、大道塾、シューティング、シュートボクシングと、あらゆる格闘技に取り組んできた平選手ではあるが、初めて目の当たりにした第2回UFC (Ultimate Fighting Championship) には戦慄する。もし、あのオクタゴンの中に入って戦うことになったらどうしよう、自分にはとてもできない、と思ったそうだ。
そして、カーリー・グレーシーに柔術を学び、1995年9月3日、横浜アリーナで行われたバーリトゥード試合でオランダのヤン・ロムルダーと戦った。結果は1ラウンド49秒、チョーク・スリーパーでTKO勝ち。
この本の面白かったのはカーリー・グレーシーのもとでの修行の部分。グランドでの打撃があるかないかでスタイルが変わってくること。バーリトゥードのルールではグランドでの頭突きや馬乗りパンチが許されているので、下になった時には相手の攻撃を食わないように自分の頭のポジションに注意しなくてはならない。そのような技術的な事が書かれているのも、この本ならではである。
とにかく面白い! 爽やか!
結論:90年代の格闘技ブームを知っている人は是非読むべし
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