顧客の御子息の話になった。
有名大学出身の顧客と違い、御子息は無名大学を卒業したらしい。
まったく努力しない息子で困っている、といつぞや嘆いていた。
そんな息子を母親は容認していたそうだ。
昔していた話を思い出し、顧客に尋ねてみた。
あの息子さんはどうしておられるのか、と。
すると、某電鉄系のスーパーに就職して、魚屋をやっているそうだ。
自分で魚を仕入れて、それをさばいて店頭に並べる。
調理して欲しいという客がいればリクエストに応じる。
ある日、店に行ってみた父親が息子に訊いた。
どれが美味しいのか?
これかな、と息子が答えた。
どうやって食べたらいいのか?
煮つけでも塩焼きでもと息子は言いつつ、その場で煮つけにした。
美味い!
持って帰って食べた父親は感動したそうだ。
「そうですか。やはり人間の基本はサカナですよ!」
思わずそう言った僕に、顧客が真意をたずねた。
「これは失礼、省略しすぎました」
そう言って詫びた。
「人間の基本は料理。料理の基本はサカナだ、という意味です」
それもそうだな、と顧客も喜んでくれた。
結論:魚を仕入れて料理できれば、そりゃもう立派だ!
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