『モナドの領域』というのは筒井康孝の小説。
帯に曰く
「わが最高傑作にして、おそらくは最後の長編」
正直なところ、「最高傑作」という言葉に惹かれて手にとった。
筒井康隆氏は82歳だから、「最後の長編」はそうかもしれない。
中身をちょっと立ち読みしたら、結構面白かった。
女子高生2人組と神様の会話の場面。
「わしは何でも知っとるんだよ。君は進藤真理君。そして君は竹内暢子君だ。・・・」
「なんでわかるのお」
というわけで、つい買ってしまった。
3時間ほどかかって全部読んでみた。
面白いのは面白い。
でも、筒井康隆が最高傑作とまで言う理由は何だろう。
〇 神様のキャラが立っていた
〇 法廷での神様の難解な台詞に真実をこめた
〇 もちろん売るため
参考までに神様の難解な台詞を一部、引用しよう。
トマス君の言うように、量に関する無限なんて、本来的に備わっている筈の限定の欠如に過ぎない。つまりそれは現実には存在する筈のない一種の不完全さに他ならんのだよ。だからわしがどういう存在であるか、わしが何であるか、つまりその本質つまりエッセンティアをお前さんたちが直接知ることができないのは、お前さんたちの知性が、お前さんたちの感じることのできる世界の事物のエッセンティア、つまりそれが何であるかを問いかけたり知ったりするのと同じ方法では、わしが何であるかを問いかけたり知ったりすることはできないということなんだよ。
わかるようなわからんような。
ということで、面白いことは面白い。
最高傑作かはいささか疑問。
僕にとっては高校生の時に読んだ
『家族八景』『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』
の三部作の方が面白かった。
結論:『モナドの領域』、最高傑作か否かは読者の判断だ。
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